
Part.04
3D処理用デスクトップPC導入!
性能やいかに⁉
-点群処理スピードの比較検証【第2弾】
前回、スペックが異なる3台のPCに同じ点群データを取り込み、点群の取込やフィルタリング処理といった点群処理スピードを比較検証しました。
– 前回の点群処理スピードの比較検証記事はこちら(Fan a tec Part.3)
前回の検証を踏まえ、弊社では3D処理用のデスクトップPCを導入!
と、いうことで、前回と同様の点群データを使用して、検証に使用したPCとどの程度処理スピードが異なるのか比較してみました!
前回の検証でできなかった、「点群出力(エクスポート)」と「点群描画の違い」について追加検証していますのでご覧ください。
導入した3D処理用PCの詳しいスペックは以下の通り。
フナテック 3D処理用PC
水冷式 CPUクーラー
CPU:Intel Core i9-14900KF(第14世代)
メモリ:128GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX4070
ストレージ:2TB NVMe SSD(WD_Black SN850X)

前回の検証に使用した下記の3台と比較します。

比較① デスクトップPC
CPU:Intel Core i9-14900KF(第14世代)
メモリ:64GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX4060
ストレージ:1TB NVMe SSD

比較② MOUSE ノートPC
製品名:MOUSE DAIV 5P
CPU:Intel Core i7-11800H(第11世代)
メモリ:64GB
GPU:NVIDIA GeForce RTX3050
ストレージ:1TB NVMe SSD

比較③ MSI ノートPC
製品名:MSI PS63 Modern 8SC
CPU:Intel Core i7-8565U(第8世代)
メモリ:16GB
GPU:NVIDIA GeForce GTX1650
ストレージ:512GB NVMe SSD
前回同様、検証に使用する点群データはこちらです。
名護市内 点群データ
形式:e57ファイル
サイズ:26.1GB
スキャン数:77スキャン
総点群数:12億2649万点

点群取込(インポート)
最初に点群の取り込み時間を検証します。アイサンテクノロジーの点群編集ソフト「WingEarth」と点群平面図作成CAD「ANIST」に点群データを取り込みます。
まずはWingEarth。器械点写真(パノラマ画像)を含む上記の点群データを取り込みます。
– WingEarthの詳細はこちら

WingEarthに点群を取込(器械点のパノラマ写真も取込)
検証パソコン | 経過時間 | 時間差 |
---|---|---|
フナテック 3D処理用PC | 5分27秒 | –:– |
比較① デスクトップPC | 6分57秒 | +01:30 |
比較② MOUSE ノートPC | 8分45秒 | +03:18 |
比較③ MSI ノートPC | 14分15秒 | +08:48 |
次に「ANIST」に点群データを取り込みます。
– ANIST(アニスト)の詳細はこちら

ANISTに点群を取込
検証パソコン | 経過時間 | 時間差 |
---|---|---|
フナテック 3D処理用PC | 2分25秒 | –:– |
比較① デスクトップPC | 3分56秒 | +01:31 |
比較② MOUSE ノートPC | 4分14秒 | +01:49 |
比較③ MSI ノートPC | 6分46秒 | +04:21 |
点群処理(点群をフィルタリング)
続いて、前回同様にWingEarthにて点群処理時の経過時間を検証。検証内容は点群全体の地表面から2mより上、点群上部全てをフィルタリングする際の処理スピードを検証します。

点群フィルタリング(点群全体の地表面2mより上部をフィルタリング)
検証パソコン | 経過時間 | 時間差 |
---|---|---|
フナテック 3D処理用PC | 3分48秒 | –:– |
比較① デスクトップPC | 4分38秒 | +00:50 |
比較② MOUSE ノートPC | 5分47秒 | +01:59 |
比較③ MSI ノートPC | 9分29秒 | +05:41 |
点群出力(エクスポート)
前回検証できなかった「点群出力」についても比較してみました。Leicaジオシステムズの点群合成ソフト「CycloneRegister360」にて、合成データからE57形式の点群出力が完了するまでのスピードを計測します。
出力する点群は、点群取込の検証で使用している冒頭の名護市内のスキャンデータ(スキャナー:RTC360 スキャン数:77スキャン)を出力します。
比較するPCは「比較② MOUSE ノートPC」と「比較③ MSI ノートPC」です。

CycloneRegister360でE57形式点群を出力
検証パソコン | 経過時間 | 時間差 |
---|---|---|
フナテック 3D処理用PC | 10分46秒 | –:– |
比較② MOUSE ノートPC | 11分16秒 | +00:30 |
比較③ MSI ノートPC | 22分25秒 | +11:39 |
点群描画
最後に、搭載するスペックによって点群の描画がどの程度変化するのか、RTX4070を搭載している「フナテック3D処理用PC」と、RTX1650を搭載した「比較③ MSIノートPC」を比較してみました。
フナテック 3D処理用PC
GPU:NVIDIA GeForce GTX4070
CPU:Intel Core i9-14900KF(第14世代)
メモリ:128GB

比較③ MSI ノートPC
GPU:NVIDIA GeForce GTX1650
CPU:Intel Core i7-8565U(第8世代)
メモリ:16GB

検証を終えて
よかった!しっかり速いです。特に点群データの入出力。
比較①デスクトップPCも十分すぎる処理スピードですが、点群取込では1分半の差がありました。点群出力に関しては②のMOUSEノートPCと30秒差。出力に関しては大きな差は見られなかったですね。これらのスピード差はおそらくストレージ(SSD)の読み書き速度、水冷CPU、メモリが大きく影響しているでしょうか。
点群描画の比較ではGPU(グラフィックボード)の差が分かりやすく表れたかなと思います。普段は比較③のMSIノートPCを使用していますが、点群データから図化する際、点群を近づけて点群が完全に描画されるまで「待つ」という時間が発生します。点群から次々線を引いていきたいのに、なかなか点群が描画されず作業が進まないこともしばしば、、、作業が続くと、動作も重くなってくるので、点群が完全に描画されるまでにさらに時間がかかることもあります。3D処理用のデスクトップPCでは、点群の読込が早くなり「待つ」というストレスは皆無!GPU以外のスペックも少なからず影響はしていると思いますが、かなり快適になりました!
点群編集や処理にフォーカスしたPC性能の比較検証となりましたが、3D処理用のPCを導入検討している方、搭載するスペックで悩んでいる方、参考いただければ幸いです。

【 第 1 弾 】コロナ禍以降 注目!! 建物の撮影から作る 歩ける住宅プレゼン
【 第 2 弾 】Matterport3Dと アドオン E57形式点群出力を試す
【 第 3 弾 】PCスペック別 点群処理スピードの比較検証
【 第 4 弾 】3D処理用デスクトップPC導入! 点群処理スピードの比較検証【第2弾】